人材派遣について
人材派遣に登録する人が年々増えています。テレビや雑誌、WEBサイト、求人募集の広告などマスコミでも人材派遣という言葉が聞かれるようになりました。正社員ではなく、人材を派遣という働き方が広まったのはいつごろからなのでしょうか？
平成16年に人材派遣にとって重要な労働者派遣法が改正されました。このことがきっかけとなって人材派遣という働き方のカタチが徐々に広がってきました。この平成16年の法改正では、高い失業率やライフスタイルの多様化に対応するため、労働者派遣法・関係政省令等が改正するという内容に変わりました。簡単に言えば人材派遣を利用することが出来る職種が増えたのです。
人材派遣と資格
人材派遣とは、人材派遣会社に登録して、自分の条件に見合う企業へ派遣されるという雇用形態です。人材派遣会社に登録するには、自分の資格や特技があるほうが派遣として仕事に就くためにも有利です。資格には、一般的に広く知られているものはもちろんのこと、これからの時代は他の人とは違ったものを取得したほうがいいでしょう。 また、それらの資格を持っていることは、将来は独立して自分で仕事を始めるためにも役立ちます。
人材派遣をはじめ、一般的な就職に有利な資格には次のようなものがあります。簿記検定、マナー検定、秘書検定などは、一般的な事務職に役立つ資格です。証券外務員、ファイナンシャル・プランナー（FP）は、金融や保険業に必要な資格として重宝されています。そのほか、通訳検定、社会保険労務士、簡易実務検定・通関士などのスペシャリストの活躍の場があります。自分の仕事の選択肢を増やすためにも、いろいろな分野の資格を取ることをお勧めします。
人材派遣と法律
人材派遣のあり方が、大きな社会問題になっています。人材派遣は、派遣会社が労働者を企業へ派遣する労働形態をとっており、新しい時代の雇用形態のひとつとして大きく定着しつつあります。この方法は、失業者対策として「労働者派遣法」という法律で特別に許された事業として、派遣労働者を保護していることが特徴です。
現在の労働者派遣法は、平成11年12月1日より施行され、人材派遣と直接関わっています。 また「労働基準法」は労働者に関する法律の基本となり、その適用は人材派遣にもなされます。 労働基準法では、基準法違反の労働契約、労働条件の決定、均等待遇、男女同一賃金の原則、強制労働の禁止のほか、中間搾取の排除なども謳われています。また、賃金に関しては、毎月1回以上、一定期日に通貨で直接労働者に全額支払うことが定められているのです。 人材派遣会社に登録して働く場合、これらの法律について最低限のことを知っておくことが大切です。
人材派遣と解雇
人材派遣の雇用形態は、人材派遣会社から企業へ派遣されることにあります。そして、雇用期間はあらかじめ決められています。しかし、経済の悪化に伴い解約期間を残したままでの解雇が相次ぎ、大きな社会問題に発展しました。解雇に対する内容は、「労働基準法」に定められており、これは人材派遣にも適用されます。
事業主が労働者を解雇する場合、30日前に解雇予告義務があります。また、業務中のけがや、病気、産休の期間中と、その後30日は解雇してはならないことも決められているのです。 そして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない場合、解雇の権利を濫用できないようになっています。さらに、使用者は労働者解雇に関連する証明書の交付が義務づけられていますので、この書類の請求権利があることも覚えておきましょう。景気の悪化による派遣切りが大きな社会問題になっています。こういう時代だからこそ、人材派遣と解雇の関係もしっかり把握しておきたいですね。
人材派遣という働き方
人材派遣を取り入れる企業が増えたことにより、雇用の機会が生まれ確かに失業率は減少しました。とにかく仕事が欲しい！生活費を稼がない！という緊急を要する人たちにとっては当面の生活費を稼ぐことができるようになったので、一定の効果はあったと思います。ただし、現在人材派遣で働く人たちの多くは本当に人材派遣という働き方に満足しているのでしょうか？
自分のやりたい仕事を選んで就業できる、正社員に比べ残業が少ない、ライフスタイルに合わせて就業時間を選べるなど良い面もありますが、収入の面を見れば、正社員同じ仕事をこなしながらも、給料は高くても200万円台におさえられてしまうことが多いのが実情で、正社員の職に就けないから人材派遣会社を利用しているという人も多いのです。景気のどん底から緩やかに回復基調にある日本の経済ですが、企業の純利益が大幅に上がっている背景には、正社員ではなく人材派遣を導入することによる人件費の節約が大きく貢献しています。
